2015/09/29 19:40
この秋は、セレーナ・ゴメスやデミ・ロヴァートといった若手の女性シンガーから、ジャネット・ジャクソンやレオナ・ルイスといったベテラン勢も登場し、11月には1000万枚を突破した『21』以来の新作をリリースするアデルまで、まさに新旧のディーヴァたちが、そろって新作をリリースする。“ディーヴァ”という形容が2000年代から多発し、ちょっと違うかな…というシンガーもいる中で、ラナ・デル・レイは真のディーヴァといっていい存在だ。
自身初のTOP10ヒットとなった「サマータイム・サッドネス」(2013年)の印象からか、彼女がこれほど古典派で、流行に左右されないシンガーだとは思わなかった。どちらかというと、その「サマー・タイム~」路線の、EDMやUKポップにあるサウンドを基盤にもつ人だと思ったから。先行シングル「ハイ・バイ・ザ・ビーチ」をはじめ、ラナの神秘的な声にマッチした、浮遊感漂うナンバーが途切れることなく続き、いつまでもその清涼感に浸っていたくなるアルバム『ハネムーン』。クレジットに“ドリーム・ポップ”とあるように、まさに夢見心地なサウンドの結晶だ。
刹那を綴った“サッドコア”は健在で、どの曲にも物悲しさが漂っているが、“陰”ではない。1曲1曲が、映画の泣けるシーンのようで、「豪華なアート体験」と、メディアが報じた通りの芸術的な世界観を堪能できる。映画音楽にも影響を受けているかとは思うが、本作の彼女は、70年代のバーブラ・ストライザンドに近いものがある。歌唱をひけらかすことなく、自然体で、ジャンルも超越し、“美しい歌声”を誰しもが確信せざるを得ないほど、シンガーとしての存在感をみせているからだ。
「サマータイム・サッドネス」のヒットもその影響か、ラナ・デル・レイは夏の終わりが最も似合うシンガーだと思う。物憂げな9月の、秋本番をむかえる時、切なくなるあの瞬間を描くには、この声なくして…というほど、ラナのサウンドとヴォーカルがマッチする。本作も、聴くなら“まさに今”で、この時期にしか味わえない、サウンドと季節の融合をご堪能いただきたい。『ハネムーン』という作品には、それだけの価値がある。
Text: 本家 一成
◎リリース情報
『ハネムーン』
ラナ・デル・レイ
2015/09/25 RELEASE
2,646円(tax incl.)
関連記事
最新News
関連商品
アクセスランキング
1
【ビルボード】なにわ男子『HARD WORK』73.7万枚でシングルセールス首位獲得 M!LK『爆裂愛してる / 好きすぎて滅!』61.5万枚で2位
2
【ビルボード】ATEEZ『GOLDEN HOUR : Part.4』が8.3万枚でアルバムセールス首位獲得 中島健人/ TOMORROW X TOGETHERが続く
3
2024年 年間音楽ソフト売上動向発表 オーディオ総売上金額は前年比106.7%に アーティスト別、音楽ビデオを含む総合共にSnow Manが首位【SoundScan Japan調べ】<2/22訂正>
4
Billboard Japan Hot 100
5
【先ヨミ】なにわ男子『HARD WORK』61.2万枚でシングル1位独走中 M!LK/RIIZE/≒JOYは自身最多初週売上を更新
インタビュー・タイムマシン

グローバルにおける日本の音楽の現在地






注目の画像